株式会社一番大切なこと
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?
森:当時は創業して1年が経過し、順調に仕事が増える一方で、社員が疲弊していくのを感じていました。頑張ってくれてはいても、業務をやり切る力・遂行力が弱かったんです。トップダウンで進めていたため、どうしても「社長にやらされている」という感覚が社員から抜けないように感じていました。
私は、起業を成功させるためにはそれなりにハードな働き方をして当然だと思っていましたが、そこに温度差があったのだと思います。どうすれば社員が自ら動きたくなる方向にシフトし、パフォーマンスを向上させられるかが分からず、困っていました。
森:まず、大野コーチの人柄です。社員の研修教育やモチベーション向上のシステムなど、他社のサービスも一通り調べましたが、どれもピンと来なかったんです。そんな中で大野コーチの話ならば自分が素直に聞ける、聞きたいと思ったのが一番の決め手でした。
セミナーで「社長よりも本気の人間を社内に創れたらよくないですか?」と言われた時に、それが出来たら変わる、欲しいと思ったんです。
森:間違いなく、会社が成長しました。2期目で売上500%成長、3期目で150%、今期も150%と、コロナ禍でも過去最高売上を更新しています。
課題だった業務の推進力は、実感値で90%近くは改善され、時には120%の成長を感じることもあります。「社長が言うからやらなければ…」ではなく「自分もやりたいから頑張ろう!」という気持ちが彼らに芽生えたことが、今の成果を生んでいると感じます。
森:役員2名の成長です。部下から役員に引き上げたものの、幹部社員としての育成もままならない状態でした。それが今では、経営視点を持って組織をマネジメントし、仕事でも期待していた案件をほぼ理想通りに獲得するという成果を上げてくれています。
コーチの言葉を懸命にメモして質問し、直ぐに仕事に反映させようとする成長意欲の高さを感じ、私も今まで以上に彼らへの期待が高まっています。
森:一番は、社員が仕事を「自分ごと」にしてくれたことだと思います。目標を全員でつくり、達成までのアクションプランを考える。それまでは私がつくって渡していたものを、彼らの意見を尊重し、彼ら自身が行動して感じたことをPDCAで次の一手に繋げていく。このサイクルが「これは自分がやりたい!やるんだ!」という「自分ごと化」の意識や責任感を生み、パフォーマンスを上げているのを感じます。
また、私自身が意識的に社員へのコミュニケーションを変えたことも影響しているかもしれません。以前は、成果を上げさせたいが故に会議で高圧的な態度を取り、“詰める”ような対応をしていましたが、それをやめることで社員が前向きになり、アイデアが出やすくなりました。
森:社員へのコミュニケーションは随分変わったと思います。体育会で育ったこともあり、上から厳しく指示することが、売上や数字などの成果を出すには効果的だと思っていました。ただ、相手によってはそれが良い効果を生まないことも感じていて、人の“道理”を取るか“利益”を取るか、孤独な葛藤もあったんです。
しかし「すごい会議」を通じて、相手を承認し、アイデアを否定せず大切にすることで、チームのパフォーマンスを上げられることを体験しました。
今では、「よ!いいね!」と承認することが日常になっています。社員には、より気持ちよく働いて欲しいと思っていますし、“道理”と“利益”が反することなく同時に体現できているので、私自身が楽になりました。
森:導入初日のセッションから変化はあったと思います。それまでの自分たちの常識から離れて新しく始めるために、飲食店を貸し切り、お揃いのTシャツを着て、いつもの会議とは雰囲気をガラッと変えて全社員参加で実施したんです。
印象深いのは、会社についての「言いにくいこと」を各自が言う場面。『本当に言っていいの!?』と思いながらも、いつになく本音を出せたことが彼らには大きなことだったんじゃないかな。
本音を出しやすい発言のフォーマットを使い、大野コーチの頼りになる雰囲気があり、私とコーチの信頼関係が見えたからこそ、安心して言えたのでしょうね。そこから全体の雰囲気も変わりましたし、私だけでは決して聞けなかった社員の声が聞けました。
森:コロナ禍という特殊な状況だったので、正解のない答えを全員で模索して不安を抱えながら進むよりも、トップダウンで集中して走りきることが必要な時期と捉え、セッションは一時中止しました。
その代わり、次期経営者の育成を兼ねて個別コーチングを実施してもらいました。「すごい会議」を1年実施したことで幹部社員のモチベーションが高まり、グループ会社の社長をやりたいという夢を抱いてくれたからです。2025年までにホールディングス化する計画があるので、各事業会社の社長を任せていきたいと思っています。
森:自分の創業1年目を振り返ると、事業を理解して経営計画が作れるだけではダメなんです。組織を動かして事業を成功させるには、経営を知った上で人をマネジメントして動かす力が必要になる。それにはコーチングが有効だと、身をもって体験したのでお願いしました。
森:これまでは、自分達を起点に「どう売るか」を考えてきました。ですがこれからは、顧客目線を起点に「どうすれば買ってもらえるか」を考えていきたいと思っています。
人材サービスは質が可視化しにくい中で、どうすれば顧客の満足度を上げる質の高いサービスが提供できるか、細分化して数値管理する方法は何かを、全員で考える時期にします。
大野:恐らく今後は、ブランディングのフェーズに入っていくと理解しています。その場合、インナーブランディングと直結してくる話だと僕は思っているので、社員の方々が今以上に生き生きと、心の底からお客様に貢献したいと思う、そんな組織作りを次のテーマにサポートさせていただきたいと考えています。
森:自問自答するきっかけですね。質問されて気づくことが非常に多いです。以前は、質問されて出てくる答えは既に自分が分かっていることで、新たな何かが生まれることはないと思っていました。でも質問によって、思ってもいなかった考えが自分の中から湧いてくることを知りました。
「LINEコーチングの時間です」というコンテンツがLINEで365日休みなく早朝にコーチから届くのですが、そこでも毎回気づきが生まれます。
森:「自分の向き合い方が、相手の表情に表れる」という言葉が印象深いです。私が社員に声をかけると、「やばい、何か突っ込まれるぞ」と緊張した表情をされるのですが、それは私の接し方がそうさせているんですよね。そうではなく「社長に早く報告したい!」と楽しみにされるような関係にならなければと思い、パソコンの一番目立つ場所にこの言葉を書いて貼っています。
「微差が大差を生む」という言葉も、コーチから聞いて自分の仕事のあり方に取り入れています。
森:2025年には年商50億を達成し、ホールディングス化してグループ経営するという目標があります。コロナ禍の戦略については比較的上手くいっている中で、アフターコロナの波が落ち着けば、また人材不足の時が来る。その時のために観光系企業のM&Aや特定業種に特化した人材事業への出資などを進め、サービスを強化しています。
私たちは、『働く人の「心」と「懐」を豊かにする』というテーマを掲げており、弊社社員の「心」の豊かさは、ここ数年で充実してきているように感じます。「心」の豊かさを構成するのは、必要とされている実感、それに応えて貢献できている実感、成長できている実感、社会の役に立っている実感、そして一定以上のプライベートの充実だと考えています。この4つの「実感」を十分に得るには、自分一人ではなく仲間の存在や関わりが必要です。いかにその「実感」を仕事の場で提供できるか。仲間を称賛するコミュニケーションの機会づくりにも力を入れています。
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?