株式会社一番大切なこと
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?
前野:まず分かりやすいのは、数字ですね。この10年間で全社の売上は約4倍、経常利益は約10倍に成長しました。
あと私が個人的に一番感じるのは、意思決定者である弊社代表や私などの経営層が大きなビジョンを描くようになった点です。目標を都度大きく進化させ、その実現に踏み出せるからこそ10年も続いているのだと思います。
前野:単純に会社が成長していけますよね。ビジョンや目標を描いて、そこに近づくための行動を起こすことで着実に成長できます。
また、目標を達成するための行動力が生まれるので成長実感があり、自然とやりがいが生まれます。私はこの会社に中途入社するまでは仕事のビジョンを描いたことがなかったのですが、人との出会いや「すごい会議」などの経験で視野が拡がり、仕事が自己実現に直結し、人生そのものが変化しました。
前野:当時は、弊社が加工業からEC事業へ業態転換するタイミングでした。初めてのEC事業で「SEOって何?」という状態の中、一番の課題はWEBサイトを起点とした集客。社運をかけて始めた事業だったので、思いつくアイデアはどんなことでも全てやる、ということをし続けた数年でした。
前野:失敗ばかりでしたね。とにかく数を打とうと行動するものの、当時はやることなすことが失敗にしか思えませんでした。結果的には、その頃の実施が少しずつ積み上がって事業を形にすることができたのですが、当時はそれにも気づけない。最初の3年間はひたすら失敗しながら、諦めずにやり続けるだけでした。
前野:大野さんほど真剣に、本気で関わってくれる人がそれまでにいなかったんです。「最後まで付き合います」というスタンスが良かった。
それに相手がコンサルや先生だと、答えを「貰う」感覚で、上手くいかないと相手のせいにしやすいですよね。でも「すごい会議」と大野さんは、徹底的に「問い=質問」なんです。どこまで行ってもそう。だから自分たちがやるしかない。逆に急に成果が出ないからこそ、長く付き合えたというのもあるかもしれません。
前野:替わりになるものがなかったんですよね。「どのようにすれば〜できるか?」という疑問文は、他に置き換えられないんです。
「すごい会議」は「人の成長」という領域のサービスの一つだと思うのですが、研修や評価、マネジメントの商材は他社であっても、「すごい会議」の替わりになるものはない。替わりがないと感じる以上は、最後はここに戻ると思ったので続けました。
前野:とにかく「やる」ということですね。「できない」は許してもらえず「どのようにすればできるか?」。ひたすら疑問文を作り、行動して改善を繰り返すという修行です(笑)。その時は一見成果が出ていないように見えても、やめない。
大野:今思えば、足腰が異様に強くなっていった時期だと思います。皆さんがもがきにもがきながらも結果が出ない状態。非常に苦しかったと思います。でも気付けば誰よりも足腰が鍛えられた、基礎体力が非常に高い組織になっていたということでしょうね。
蛇足ですが、この頃から僕は毎年「今年が最後になる」と覚悟してお付き合いさせていただいていたので、結果的にその有り様は契約更新という人質が取られずに済んで(笑)良かったのかな、と。だから仮に「過去最高の売上と利益です!」と言われたとしても、「だからどうしたんですか?そんなことだけのために、まさか「すごい会議」やっていませんよね?」と正面からコーチングしていたと思います。
前野:会社の2つ目の事業として東京エリアを強化するタイミングでした。本社の権限を全て手放して私が東京に赴任し、「すごい会議」のセッションも東京に移動。ECの窓口拠点として社員が2人程度しかいなかった状態から、改めて会社の事業軸として数字を作っていくことが課題でした。
前野:東京事業を会社の2本目の柱にするというミッションの達成です。
エリアによってサービスの特徴も異なり、本社ではプロダクトアウトで販売するのが基本ですが、東京ではお客様の要望を受けてつくるマーケットインが主体。ニーズに対応しながら売上を伸ばし、現在は本社と東京で5:5の売上比率にまで成長しました。
前野:まず大きいのは、「すごい会議」で決まったことは社内で尊重されるという文化が既にできている点です。会議で決まったことは必ず実行する。多少難しいことであってもやるという約束が過去の実績として合意されていたので、経営側も承認しやすい。私にとっては、すごい会議は意思決定の場。意思決定して実行するということを繰り返しました。
前野:新規顧客開拓の問題解決です。どんなことでも、得意な人間がやる方が良いという考えがあります。
東京にも新規開拓を得意とするメンバーが1名いたので、セッションでアイデアを出す中で、その彼を新規開拓の専任にすることを意思決定しました。彼が担当する既存顧客を全て手放してもらい、新規だけをゼロからやってもらう。大事に育てた顧客と売上を手放すのですから、当然抵抗があったと思います。でも彼はその方針を受け入れてくれ、1年後には手放した売上と同額の顧客を新規で生み出してくれました。何より彼が素晴らしいし、会社としては既存の倍の売上が生まれ、チームとしての地盤が底上げされました。
すぐに結果は出なくても、意思決定次第で翌年以降の成果が圧倒的に変わります。
前野:これを言ったらどう思われるだろうとか、決めにくいことは当然あります。でもこの会議の場だけは、問題解決に最適だと思うことを最優先に決定すべきだと考えています。そして「すごい会議」で決めたことは尊重されると分かっているからこそ、躊躇なく選択できるんです。
大野:「すごい会議」を非常に上手に使われていると思います。No.2という立場にある人の多くは意思決定することを躊躇うものです。でも前野さんは覚悟が違う。自分が責任を持つと腹を括って次々に意思決定していくからスピードが速い。
前野:代表から意思決定者のポジションをやってみないかと言われた時は、難しく考えずに楽しんでやりました。もちろん意思決定が正しいかは分からない。でも分からないならば、新しいチャレンジをした方が良い。力不足でも意思決定者は絶対に意思決定すべきです。
後継者育成のためにも、どんな思考や環境が意思決定力を育むのかを棚卸ししているところですが、きっと何を守るかの捉え方次第なんじゃないですかね。
前野:直接的にはコロナ禍によるビジネス変革期でしたが、要は外部環境が変化する中でどうビジネスを発展させ続けるかという普遍的な課題と捉えています。ここ1年はコロナ禍であらゆるイベントが中止になり、グッズ制作の機会が減少して数字が落ち込みました。でも来期は昨年同様の売上に戻す実感も十分にあります。
弊社の現在の課題は、ここ10年間で伸ばしてきたEC事業の停滞です。変化は10年スパンで起こると実感していて、その原因も見えてきたので、必要なことを変革し続けることが重要だと考えています。
前野:一つ確かなことは、「すごい会議」のメソッドは他に替えが効かないということ。「問題と向き合う」領域において、疑問文などの手法や普遍的なこと全て。他のサービスも試してはいますが、他にない、これが1番の理由です。
二つ目は「会議」に特化しているという特性です。コーチングやファシリテーションのサービスはありますが、個人のスキルや知識の話が多い。そうでなく、会議の「場」を活用した構造が他にないんです。会議をしない会社はないし、1対多になるとどんなコミュニティでも有効な構造だと思います。
大野:「すごい会議」という「場」なんでしょうね。本気で問題に向き合う「場」が定期的に訪れるのもポイントだと思います。コーチ一人がいくら張り切ってもそれは創られない。同じメソッドを使っても、参加する人の温度や空気で大きく結果が変わる。前野さんが、この「場」を貴重なものとして日頃からコミュニケーションしてくれているからこそ、高い温度感が保たれた「場」にできているのだと思います。
前野:大野さんというコーチの個性が魅力的だからこそ今があるし、特に私は影響を受けています。大野さんご自身が常に学び続け、変化し成長し続けることを体現していらっしゃる。口にする言葉と行動が一致している人はなかなか少ない。僕もそうありたいと思うので近くにいたいし、離れることが怖いですね。
前野:もちろん最初は「コーチ」でした。「すごい会議」という投資に対して、コーチから少しでも学びたいというのが大きかった。でも今はコーチの枠を超えて1人のビジネスマンとしての尊敬が大きく、メンター的な存在です。
大野さんから毎日LINEで「問い」が来るのですが、それに対して思考することで現在置がクリアになり、ゴール迄の距離が見える。見えていなかったことがふと見える瞬間があり、メンターとして一生お付き合いさせていただきたいと思っています。
前野:私自身の定年までと考えると、あと10年。それまでにアジアを中心とした海外展開の仕組みをつくっていきたいと思っています。日本のタレントさんの海外活動が多く見られる今、私たちはそれを最大限支援できる状態にします。既に中国拠点にはエース級の社員を送り込んでいるので、今後はアジア全体で、顧客の要望に応える企画制作から販売までの仕組みづくりを進めたい。クリエイティブ力や品質の高さを保ちながら、市場を開拓していきます。
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?