デルフィーコンサルティング株式会社
「組織で勝つ」と決めている方、ひどい真実に向き合うつもりのある方、(不器用でも)誠実に生きている方、
そんな方のチャレンジをサポートします。
(杉岡)正直なところ、僕自身もどんな状態を望んでいるのか、この組織の課題が何なのか、明確にはつかめていませんでした。
大きな問題はないけれど組織が一枚岩になりきれていない感覚はあり、もっと良くしていきたいけれど、どうしたらいいのかはわからない。
そんな中で、石神先生の投稿から行き着いたのが「すごい会議」です。
(杉岡)石神先生という成功事例を見たことが大きいですね。成長には投資が必要だと感じていたし、新しいことを試したかった。
導入前は、そもそも“目標”を立てるメリットや必要性がわからず、組織目標も立てていなかったので「すごい会議」は大きな変化でした。
(杉岡)目標を立てることの良さと難しさ、両面を体験しました。
まず良い面は、目標設定によって人の動きが加速すること。“目標に向けて何をするか”という発想や問いが生まれたことで、以前の“問題が起きてから対応する”あり方に比べ、前進する力が強まりました。
反面の難しさは、売上げを軸とした目標に、僕自身がワクワクできなかったこと。それは、ここが医療現場であることも大きいと思います。
もちろん経営に売上は必要ですが、数字以外の“大事にしたいもの”とのつながりが描きにくかった。
今なら数字の先のビジョンや意味づけを丁寧にすることで、数字との向き合いも変わると理解できますが、当時はまだ曖昧でした。
一度数字を追ったからこそ“大切にしたいものは何か?”という問いが深まったのは事実です。
(梨木)目標には定量的な数値を入れるのが、我々の手法です。理由は、複数人で目標を追う際に、定性的な“幸せ”だけでは認識がずれる可能性があるためです。“幸せ”を可視化し、共有する指標の例が“売上”でした。
しかし、その必要性と感情の間に乖離があるのも感じたため、一つのプロジェクト終了後、指標を“従業員満足度”に変更してプロジェクトを再構築しました。
(杉岡)意図する方向性に近づいた一方で、このプロジェクトに取り組むメンバーをフォローし切れなかったことが、僕自身の反省点です。
負荷がかかる中で、彼らはしっかり結果を出してくれたにもかかわらず、承認や感謝を十分に伝えられていませんでした。
(杉岡)彼らから直接フィードバックを受けました。正直なところ、彼らがどれだけ大変な中で頑張ってくれているか理解できていなかったし、コミュニケーションも足りていなかった。
従業員満足度の前に、目の前にいる幹部スタッフの心を満たすべきだと気付き、感謝と共に、結果よりも「頑張ってくれたことがうれしい」と改めて伝えました。
(梨木)いちスタッフから組織トップにフィードバックが入るケースは、多くはないと思います。裏にある期待の表れであり、先生ご自身に傾聴の姿勢があるからこそ、本音を伝えてくれたのではないでしょうか。
また、承認とコミットメントの量は比例するので、目標達成には“承認”が欠かせません。“成果”への承認だけでなく、挨拶などの声かけも“存在”への承認。「いつもと感じが違うね」などの何気ない会話も“変化”への承認として効果的です。
(杉岡)まずスタッフの変化です。医療の現場では職種によって仕事が明確に異なるため、自然と、スタッフは自分の担当領域だけに意識をフォーカスしがちです。「組織(クリニック全体)としてどうしていくか」といった視点を持つ機会は、そう多くはありません。
その点「すごい会議」では、他部署と目的を一つにして“組織課題”に取り組むことで、セッションメンバーの主任たちに組織視点の思考が育ちました。
当事者意識や自主性の向上、責任感の高まりも見えたことで、彼らにクリニックの未来についての相談をできるようになったのは、うれしい変化です。
(杉岡)健康診断を増やす施策など、売上向上のための活動をスタッフが進んで動いてくれたおかげで、素晴らしい成果が生まれました。
「すごい会議」の良い点の一つは、強制力かもしれません。ある程度の強制力をもってプロジェクトを動かすことで、他のサービスにはない成果が生まれやすい気がします。
もちろんここでも、多少の強制と共に実行する意味づけは重要です。
(杉岡)以前よりも「伝える」ようにしています。なぜ必要か、期待することは何か。『一緒に頑張ろう』などの声掛けも、です。
人を動かし共に動くには、“思っていても口に出さなかったこと”を、相手の気持ちを汲み取ってしっかり言葉で伝えることが大切だと実感しました。
「すごい会議」の質問の技術は卓越しているので、学んだことで質問の仕方も変えました。
以前は、「(僕に)何を変えて欲しい?」と、僕への依存を引き出す質問をしがちでしたが、「(あなたは)何ができると思う?」と、相手の未来の行動を引き出す質問の方が効果的だとか。「なぜ」よりも「どのようにすれば」と問いかけるとか。
本質的なことばかりで、日々活用しています。
(杉岡)心から達成したい目標を真ん中に置くこと、です。
『自分・組織の価値を高めるために』『もっと誰かの役に立てるように』、あるいは『達成感を味わえるように』など、プロジェクトの価値と感情をフィットさせて達成への道筋が描けるといいですね。
セッションを始める前に、なぜやるのか、動機を明確にした上でセッションメンバーに声を掛けることも大切。そういった事前のセットアップも、今ならもっとうまくできます(笑)。
(梨木)医療と経営をうまく分離しつつ、“真ん中の目標”をスタッフの方に丁寧に共有していきたいですね。
組織が目指す世界観を明確にすると、それに共感できずに離れる人材も出てきますが、我々はそれを自然なプロセスと捉えます。
むしろグレーゾーンを減らし、“現状を変えるんだ”という思いが強いほど、プロジェクトはうまくいくはずです。
(杉岡)“従業員の幸せ”です。以前は、“成功”の意味を深く理解していませんでした。
今、僕が改めて思う成功とは、“豊かさ”。経済的に潤うことで豊かになるのでなく、豊かさを感じる人が、成功を感じ取れる。
では、豊かさを何で感じるかというと、ありきたりですが、例えばスタッフの笑顔です。スタッフが幸せに気持ちよく働ける職場が、患者さんを笑顔にする。患者さんがまた来たいと思う場がつくられた結果、売上がついてくる。
あくまでスタッフの貢献の対価として売上があるという、この順序を正しく言語化していきたいと思います。
(杉岡)一つは“質問”です。僕の思考にない質問をくれるので、視野が広がります。しかも「どうすればできるか」という、ポジティブかつ未来志向の問いなので、思考が前を向く。
他にも、普段は表に出さない感情やセッションメンバー個々人の強み・弱みなどに触れられたのも、コーチがいればこそ、です。スタッフとの相互理解が深まる良い体験でした。
僕なら、スタッフの深い感情には踏み込まずに表面上でうまく進めようとしたかもしれませんが、そこを梨木さんは深く切り込んでいく。
(梨木)我々コーチの機能として、通常であれば触れないような、個人の内面や組織課題の核心にあえて踏み込みます。
なぜなら、瞬間的には混とんを生むとしても、そこにチームの伸びしろが隠れている可能性が高いからです。核心に触れても戻れる安全を担保に、コーチは場をつくります。
(杉岡)自分を振り返る、成長のきっかけになりました。自分は何ができていて、何が足りないのか。この先何ができるのか、と。
コーチに任せて終わりでなく、コーチングの視点や質問の技術、フレームの手法なども、自分で使いこなしていく方法を探しています。
(杉岡)停滞を感じたときかな。大きな問題がないのに停滞感を感じるのは、もがいている証拠。問題が不明確で自分では解決できないことも多いので、頼りになると思います。
リーダーシップを発揮するアクションのきっかけになるし、こんな組織は向いていない、というのはないんじゃないかな。
(杉岡)とにかく従業員に幸せになって欲しいので、そのために“僕に何ができるか”を追求していきたい、それが一つです。
二つ目は、クリニックの院長で困っている人は院外にたくさんいるので、僕なりのクリニック経営の考え方や必要なマインドセットについて伝えていきたいですね。
そして同様のことをスタッフも身につけて、ぜひ他の院にも貢献しに行ってほしい。それほど彼らは素晴らしいんです。
これらを実現したい理由はとても単純で、人が喜ぶ姿を見るのが好きだから。自分がいなくなっても、誰も悲しんでくれない人生なんてつまらないじゃないですか(笑)。
縁あって僕と関わってくれた誰かが喜びを感じてくれたなら、うれしい。それが僕の幸せであり、豊かさの根底です。
「組織で勝つ」と決めている方、ひどい真実に向き合うつもりのある方、(不器用でも)誠実に生きている方、
そんな方のチャレンジをサポートします。