株式会社U-Leading
経営チームに大きなインパクトをもたらす。
そうすると、組織が変わり、人も変わる。
その変化への挑戦のきっかけを創り続けるのが私の使命です。
高橋(輝):今、僕は4つの会社や団体の代表を務め、クリスチャンとして教会の活動などもしています。しかし複数の組織を運営するなかで、仲間との意思疎通がうまくいかずにいざこざが起きるなど安定しない状態が続き、売り上げ以前に組織の状態そのものを整える必要があることに気づきました。
まずは団体の体制整備を目的に「すごい会議」を導入し、全団体のトップを集めてセッションを重ねた結果、全体方針が決まり各団体にまとまりが生まれたことで、ひと区切り。
団体内でのリーダー育成プログラムなどは今も継続いただいているものの、次段階として売り上げアップを目的にと、エンコネクトでの「すごい会議」セッションを始めたのが約1年前です。
高橋(輝):悠さんと会話するなかで、『自分の限界ってこんなものだろう』と思っていた予想をはるかに超える目標を“達成しましょう”と、誘っていただいた感覚がありました。次のステージに行きたいタイミングだったし、「すごい会議」で行ける気がしたんです。
エンコネクトは、業績は伸びているものの『高い目標をどう達成していくか』と考えると、現状のままでは届かない。売り上げの8〜9割を僕一人の営業力で取ってくる状態だったので、その構図を変えるためにも、組織全体に変化を起こす必要がありました。
高橋(輝):全く別の目的で導入しています。僕の組織は、知人や友人などの仲間関係からスタートしているので、上限関係のメリハリがない。改めて、会社として組織化するために、ルールや組織図、人事採用面を整えることを目的に過去のコンサルティングを入れました。
そこで構造は整備できたものの、内部で働く幹部同士が、同じ目線で会社を見て会話ができているかというとそうではなかったので、次の段階として、幹部間で経営にかかわる会話ができる「すごい会議」を導入しました。
高橋(輝):今期の売り上げ数字が上がったのはもちろん、何よりよかったのは“言いにくいこと”を言い合えるようになったこと、だと僕は思います。これは以前の団体のときにも感じたことで、エンコネクトで導入したいと思った一番の理由です。
例えば、お互いに「ここを変えた方がいいと思う」と言い合い、いわゆる“ひどい真実”を口にできるようになる。「すごい会議」の場、という前提がなければただの愚痴や文句になりかねないところを、ルールに沿ってさらけ出すことで風通しのよい組織に変化しつつあります。
それに、『案外、彼らも会社のことを見ていて自分と同じようなことを考えているんだな』と改めて知りましたね。それならもっと言ってよ、と(笑)。
高橋(輝):隠さず、オープンに言い合える文化が生まれていることです。日本人は、口に出さずに裏で言うような傾向がありますが、『すごい会議がこう言っているから出しちゃおう』という共通認識があるので、安心して口に出しやすい。
例えば「給料が低くてつらい」のであれば、制度を検討し、会社にプールしたお金で何ができるか、と解決策を探ればいい。出して解決する文化っていいと思うんです。企業規模が小さい今のうちに、この文化をつくれたのはよかったですね。
デメリットは、全員で意思決定のプロセスを踏むことがルールなので、僕が独裁的に決めるよりはスピードが落ちること。ただ、合意しながら進むことであとから不満が出ることが少なく、最終的には早くゴールできる感覚もあります。
出し切る大切さ、ですね。
高橋(輝):今期の目標にしていた売り上げ5億円を達成しました。8月末の決算を控えた5月の時点では、目標の50%しか目処が立っていなかったのですが、「決めたからには絶対にやりきろう」と全員で奮起し、達成しました。
今年は補助金ビジネスの社会的なルールが変わったことが逆風となり、5億円という数字は僕らには厳しいものでしたが、それでもやり切れた。来期の目標は、倍の10億です。
高橋(輝):「すごい会議」の場で、みんなで「やる」と決めて約束したからですね。その目標を決めるために10時間以上を使い、意思決定のプロセスを経て決定したからこそ、僕だけでなく全員が約束を守るために奮起できた。
強制力の一つに、残り3カ月を切った時点で、達成できたら報奨を、できなければ僕を含めた全員に罰則を設けたことも影響したと思います。『どうすれば達成できるか』の解決策として、トッピング的に短期間でモチベーションを高める意味ではアリでした。
高橋(コーチ):報奨と罰の案は、「どうやって達成しますか」「これで本当に達成できますか」と、セッションでひたすら問いかけるなかで生まれたアイデアで、全員が合意して決定されたもの。一方的に実施したわけではありません。
今回の達成で、メンバーの方は本当の意味で『やり切る』ことを体験されたと思います。
高橋(輝):正直なところ、過去の彼らは本気の“コミット”を知らなかったと思うんです。そこを“死ぬかやるか”レベルで経験できたことは、彼らを変えるのに十分だったはず。
僕は本気で『やる』と決めればできないことはないと思っていて、逆に、やる気がなければ何を言っても耳に入らないし結果も出ない。必死にやり続けるなかでのみ奇跡は起きる、という考えなので、会社方針としてやらされるのでなく、自分たちで意思決定した目標であり評価報酬であり、全てが一貫していたからやり切れた。
全てのプロセスを通して彼らの意識は変わったと思いますよ。
高橋(輝):引き続きの課題ですね。格段に彼らの動きは機能しつつあるし、僕が知らないお客様が生まれ、数字も上がってきた。新しく営業人材を採用する方針へ転換したこともあり、組織の成長段階に来た感覚です。
これまでは組織立った営業組織もない状態でしたが、この会議を通して幹部が僕の思考、行動を吸収できたことで、次は彼らを中心とした組織をつくり、下に共有していけます。この会議の経験を生かせる段階に来ました。
高橋(輝):コーチが踏み込んで介入してくれることです。この会社がどうすれば伸びるか、まるで自分の会社のように真剣に、親身に考えてくれる存在は他にいません。その上で客観的視点からの課題、僕らには見えていない視点で切り込んでくれる。
考えてみると、会社の“口に出せないひどい真実”は、本来は外部に知られたくない弱点なので、そこに入りこんでもらう信頼感は相当なものですよね。
メンバーにとって「すごい会議」の精神的ストレスはかなり大きかったはずだし、期日を守ることも苦手だったので、身内だけでは絶対に続かなかった。第三者のコーチに“見られている”ことも重要だったんじゃないかな
高橋(輝):悠さんの存在が、精神的な安定につながっています。会社を見通した上で意思決定者である僕の味方でいてくれるし、かといって僕を変に持ち上げるわけでもない。会社にとって必要なこと、僕が求めることを常にフラットに見ていてくれる。代表という上に立つ立場だからこそ、上下関係なく対等に付き合える存在が貴重です。
高橋(輝):「すごい会議」をもっと社内に浸透させていきたいですね。コーチがいて僕がいて、「すごい会議」の時間だから、という前提条件がなくとも、自分たちで日常的に実践していけるような。
例えば“ひどい真実”は、会議の場以外でももっとオープンに言い合いたいし、社員たちにも、コーチのふかん的で冷静な視点を学んで身につけてほしい。社員がコーチの役割を担えるよう、コーチング視点の育成プログラムも実施してもらっています。
その場に居合わせた3人で「今からちょっと『すごい会議』やろうぜ」と、自然に始まるとか、いいじゃないですか。熱意を持って冷静に動く、「すごい会議」が文化になってほしいですね。
高橋(コーチ):始めは、強制的にコーチを担う“場”をつくるといいかもしれません。その場においてはその人物がコーチのコンテキストを体現して存在する、というように、日常業務との文脈を意図的に変えることがコーチ育成の初動には効果的だと思います。
高橋(輝):本当の意味で、会社について幹部と考える場、かな。その結果、成果が出る。
僕がそうであったように、社長が一人で引っ張る組織というか、幹部が幹部になりきれていない組織におすすめです。導入してよかったし、あのときの直感は正しかったと思います。
高橋(輝):前回のセッションでこの目標を決めたとき、僕自身はもう少し低い数字が落としどころかなと思っていましたが、他のメンバーが10億、15億と言い始めて(笑)。
今回の達成で自信がついたんでしょうね。これまでやり続けてきたことが形になってきたと実感します。
過去の倍ということだけでなく、見たことのない数字なので今までとは質の違う問題解決が必要になる。僕に依存していては届かない数字だし、必然的に人の成長が不可欠な目標なので、いいと思います。
高橋(コーチ):社長が持つ要素をどこまで分解できるか、が肝ですね。社長ができることは他の誰かもできるはず、という前提で、社長の営業力や思考、責任との向き合い方など抽象的なことも含めて分解し、他の方にトレースできれば可能性は一気に広がるはずです。
高橋(輝):先のビジョンを持たないのは、『今日しかない』と思って今日を最高にすることでしか最高の10年後はつくれないと思っているからです。27歳で起業して10年走り続けてきましたが、今後を考える区切りの年でもある。
これからは、現場を離れて僕にしかできないことにフォーカスしていきたいし、稼ぐことよりも、社会貢献や地域創生などへの重心をもっと高めていきたい。
もちろん社員の安心や豊かさには売り上げも欠かせないので、そこは彼ら一人ひとりがコミットし、チームでつくれる状態にしていきます。野球のように試合中の指示を監督が出し続けるのでなく、サッカーのように選手が自分で考え、判断して勝ちに行けるチームにしたい。僕に頼らず、“チーム・エンコネクト”として存在していくことが次のテーマです。
経営チームに大きなインパクトをもたらす。
そうすると、組織が変わり、人も変わる。
その変化への挑戦のきっかけを創り続けるのが私の使命です。