株式会社ディシジョン
青山学院経営学部卒業。アメフト部副将。銀行に入行。株式会社PlanDoSeeに転職。マネージャー時代に「すごい会議」を受け、衝撃を受ける。社内ですごい会議を広めるソリューションコーチ第一号となり、全店舗に導入。
平 :当社は1986年に創業し、近年は積極的にM&Aを進めてきました。32期目となる2018年には、グループ合計70社近くに拡大し、カリスマ創業者の強力なワンマン経営から合議的なカンパニー制の経営へと、体制を大きく変更しました。
解決すべき課題が明らかになったのは、セッションの初日。経営メンバーで「ひどい真実(組織や自分自身の)」を挙げて問題を洗い出すうちに、“幹部がいかに自律的に組織を運営できるか”が、最大の課題だと気づいたんです。同時に、その課題と向き合ってこなかったという事実が衝撃的発見でもありました。
平 :何より象徴的な成果は、1年で経常利益前年比170%を達成できたことです。
当社の組織文化は“計画必達”。“必達”が責務だからこそ、これまでは前年比105%、110%などの現実的な成長を描いて目標を立ててきました。
しかし、「すごい会議」の核心は「可能性を最大化する」高い目標にある。“経常利益200%”という未だかつてない難易度の目標を設定した瞬間、“必達”文化と相まってブレイクスルーが起きる未来が確定しました。
雨宮(コーチ) :私が彼らに投げかけた質問は、「1年以内に、ここに挙げた問題がすべて解決したとすると、各事業部で何%の利益が生まれますか」というものでした。
その回答を足した数字が“200%”。誰に言われたわけでもなく、自分たちが口にした数字だからこそ所有感がある。目標をトリガーに“必達”文化にエンジンがかかりました。
平 :「自分が口にした未来しか訪れない」という雨宮さんの言葉が強く印象に残っています。“200%”と決めて宣言した瞬間、可能性が広がった。「それを達成するのは誰ですか」という質問への回答は、もちろん「私自身」。未来が決まりましたね。
平 :今でこそ、幹部メンバーは効果的に「言葉」を扱い、当たり前のようにパフォーマンスの高い会話ができますが、当時は「できない言い訳」ばかり。雨宮さんには、シンプルに、結論から、「事実」をもとに会話をするよう繰り返し指導を受けました。
慣れるまでは「言葉」を入り口に思考を変える強制力の強い手法に苦しみましたが、それを乗り越えた人だけが今も役職者として残っている。組織に新陳代謝が起こりました。
その摩擦を受け入れてでも「すごい会議」で進むと決めたのは、それだけ圧倒的な「違い」を実感したからです。
平 :導入後、2〜3カ月で業績に変化が表れ、幹部メンバーの意識が変わり始めました。全70社が自社の成長だけを追う思考から、グループ全体のシナジーを生み出そうとする思考へと、自ずと変化したんです。
今やグループの数は120社以上。そのスケールこそ当社の最大の強みであり、1社ではなし得ない付加価値を提供できるのがGLIONブランド。可能な限り情報をクロスして協奏効果を高めることで、お客様のLTVを最大化するコミュニケーションが実現しました。
平 :一つは、目標です。各社が個別に活動したところで起こせるイノベーションには限界があり、全社のシナジーがあって初めて“経常利益200%”に手が届く。また、コーポレートガバナンスや人事、マーケティングなどの全社機能に集中的に取り組んだこともグループ視点の強化に役立ちました。
このタイミングで全社思考にスイッチできたことは大きな進化でしたね。
平 :初年度に幹部社員の変化を目の当たりにしたことで、これを全従業員に拡大できたら最強の組織になると確信しました。参加者の裾野を広げ、毎年6件以上のプロジェクトを実施しています。
平 :グループ戦略の骨子となった「CLUB GLION(クラブジーライオン)」の取り組みですね。グループシナジーを最大化すべく、全社の顧客を一元管理する会員制のマーケティングプラットホームを構築しました。
個々のブランド体験を超え、GLIONが提供できるありとあらゆる商品・体験をお客様に提供するためのプロジェクト。今となっては、このシステムが当社の強みの軸になっていると言っても過言ではありません。
雨宮(コーチ) :このプロジェクトの肝は、会員の獲得。現場の営業をいかに動かすか、獲得へのプロセスを管理する仕組みと旗振り役となる担当者が鍵でした。
会員獲得率をKPIに置き、毎日、体重計に乗るように数値を管理する。進捗を可視化して獲得率が低ければ解決策をとり、高ければ成功事例として学びにする。担当者を中心に「獲得は必須」だと、仕組みで表せたことが機能しました。
平 :“健全な競争”が好きな会社なので、情報を見える化すると社員が“勝手に”行動し始めるんです。
例えば、プロジェクトの一環として今までオープンにしていなかった各社のKPIや数字の浮き沈み、成功事例をリアルタイムで共有し、ランキング表示できる社内システムを構築したところ、目に見えて行動に力が入りました。
雨宮(コーチ):“未達を許さない”文化です。その文化があるからこそ、未達と直面したときに“自ずと”成功体験から学び、“勝手に”行動が起こる。
私が入り、あえて“未達を起こす”高い目標を立てることで、“必達”に慣れたみなさんは問題解決への衝動に駆り立てられるんですね。
平:初年度は、会議の前日に発熱する人が続出しました(笑)。「数字を達成するのは自分」だからこそ、目標の壁が高すぎて知恵熱が出る。しかも、オーナーが好きな好きな言葉は“打つ手は無限”。“必達”かつ“打つ手は無限”、問題と向き合い続けるのみでした。
平 :経常利益が導入前の400%近くに伸びました。課題だった“幹部の自律的な思考行動”という点も、期待に対して400%の成長と言えそうです。
今では「すごい会議」がGLIONの仕組みであり、行動原理や考え方、マネジメント手法が「型」として根付いている。グループ全社に「すごい会議」のフォーマットを使ったコミットメントシートが何百と存在し、盤石な土台を形成しています。
平 :グループで実施する次世代幹部研修やリーダー研修、新卒の入社時研修など、あらゆる階層の研修に「すごい会議」の言葉、思考、行動を落とし込み、文化として定着させることを意図しています。
当社はチャレンジ精神と“必達”文化を徹底してきた土壌があるので、「すごい会議」との親和性が高く、整合性が取りやすいこともうまくいっている一因です。
平 :「まず体験してください」という手順かな。多くのビジネス書のように、長い前置きも解説もない。いざ試すと“体験こそが何よりも雄弁に語る”という、考え抜かれた手法の効果を体感します。
今では僕も、「やるかやらないか。まずやりましょう」というあり方で会議を進めるようになりました。
雨宮(コーチ) :「社内コーチ」を育成できれば、毎週の進捗会議の精度が上がります。コーチングが根付き、相手の可能性を引き出すコミュニケーションの基盤もできる。気軽に相談できるコーチがいれば、フォロー体制も一層整います。
コーチとして人事で働くような新たなルートをつくるもよし、本社に異動する際の登竜門的資格にするもよし。あらゆる点で、組織の成長を後押しできる存在になるはずです。
平 :成長への緊張感を担保するため、です。「社内コーチ」を育てれば自走できる仕組みは今以上に整いますが、「もっとできますよね」と背中を押してくれる雨宮さんの存在は別格。
「やりますか、やりませんか」「どこまでやりますか」という、非常にシンプルな問いかけが成長への危機感を呼び起こしてくれます。
平 :ズバッとストレートに言ってもらえる点ですね。膨大な数のM&Aで成り立つ組織だからこそ、私たちだけだと異文化のバックグラウンドを持つ者同士の遠慮が出てしまう。
その背景と関係なく、達成だけを見て「真剣に向き合えないならこの場から退出してください」と、厳しい本気を突きつけてくれるのが雨宮さん。誰にでもできるものではありません。
雨宮(コーチ) :私が思うに、人間は誰しも無限の可能性を持っているにもかかわらず、やらない生き物。そこをわかった上で「やる」ことに成果の源があると私は信じているので、「やる」と決めた以上は実行してもらい、「やらない」人は退室してもらう、それだけです。
“幹部こそあぐらをかかずに働くべし”というオーナーの意向を踏まえ、初年度のボードメンバーには特に厳しくサポートすることを意図して進めました。
平 :大きな成長を望みつつも『何かがうまくいかない』と、課題感を持つ会社ですね。ただ、「すごい会議」は劇薬であり、私が思うに万能ではありません。雨宮コーチのインパクトも強いので、経営トップの断固とした覚悟が絶対に必要。うかつに手を出すと組織が崩壊します(笑)。
その代わり、覚悟さえあれば必ず結果は出る。まずはやってみてください。
平 :私たちが成長し続ける限り、課題も生まれ続けます。例えば、次世代への承継。カリスマ的創業オーナーから質実剛健の現リーダーへ、そして次世代へ。承継を経ていかにベクトルを太く、強くしていけるか。そこを一緒に伴走してほしいですね。
平 :当社のミッションは、“喜びと感動”を極める企業であること。さらに解像度を上げると、“車を売る会社”から“車の販売を通じてお客様に最高の体験を提供する会社”として高付加価値をもたらす存在になることです。
車業界の圧倒的リーディングカンパニーであるために、一人ひとりが自律して組織の未来を語り、オーナーシップを持って活動に取り組める集団として、人材採用・教育に注力していきます。
GLIONと関わると最高の喜びが生まれ、感動を味わえる、そんな存在を目指し続けます。
青山学院経営学部卒業。アメフト部副将。銀行に入行。株式会社PlanDoSeeに転職。マネージャー時代に「すごい会議」を受け、衝撃を受ける。社内ですごい会議を広めるソリューションコーチ第一号となり、全店舗に導入。