すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

【Part1】4社のシナジーで続々最高益達成。 経営者も若手も進化する、信頼の“共創”プロジェクト

GLION グループ アフターパーツ事業部

設立
1986年3月
資本金
5,000万円
従業員数
3,874名 (2023年9月)
事業内容
1986年に自動車整備工場から始まり、現在は輸入・国産車の正規ディーラー事業を主軸に、リテール・アフターサービスほか多岐にわたる自動車関連事業を展開。国内での成功を生かし、海外6カ国にも進出。飲食、ウェディング、宿泊事業にもフィールドを広げ、100社以上を抱える巨大グループとして業界を牽引する
担当コーチ
島袋 智

GLION グループでは、輸入車および国産車17ブランドの正規ディーラー事業をメインに多角化経営を進め、他業種を含む90社以上をグループ会社として展開。さまざまなプロジェクトに「すごい会議」を活用いただいています。

今回のプロジェクトは、自動車のアフターパーツを扱う事業部4社の営業力強化が目的。個社の営業力向上と事業部の連携強化に向け、各社でプロジェクトメンバーをアサインして半年間のセッションを実施しました。

プロジェクトを終えたばかりの4社の代表に、その成果について伺います。

初の4社合同プロジェクト。業績向上を目指す

本プロジェクトを開始した背景からお聞かせください。

飯岡:同じGLIONグループながら、4社が集っての合同プロジェクトは初の試みでした。個々では取引関係や協業関係にありつつも、競合としてバッティングする事業もある。そのなかで、どうこのチャンスを生かすか。

業界は縮小傾向にあり、未来への道筋には荒波が立っています。これからは4社で団結して進むべき時代。手を取り合う方法を模索していたときにこのプロジェクトが始まりました。

「すごい会議」を突破口に、事業部としての一体感や同じ目標を目指す仲間意識が生まれています。

「営業力強化」のプロジェクトに何を期待しましたか。

里井:グループの判断で各社の目標が引き上げられたタイミングであり、各社の成長と目標達成が狙いでした。

このプロジェクトを生かせば、「すごい会議」の手法を学べる上に他社との交流で視野も広がる。当社では20代の営業社員を2名参加させ、彼らの育成・教育の機会として活用しました。

市原:各社の幹部メンバーが「すごい会議」の手法を学ぶことにも価値がありますが、数字の達成を目指すからには数字にかかわる部署を巻き込むことが効果的。当社も営業の若手社員をメンバーに加え、問題解決を進めました。

「最高益達成」が続々と。“人”の成長が会社の成長

半年間のプロジェクトで、具体的にどのような成果が生まれましたか。

市原:当社は2023年度の業績が過去最高益売上総利益では昨年対比108%の成長率でした。

成果が生まれた最大の要因は、われわれの凝り固まった固定概念を手放せたことにあります。「すごい会議」のメソッド通りに「可能にするにはどうすればいいか」と、思考した結果、具体的な打ち手が増えました。

この会議でなければその思考や行動は生まれず、最高益には至らなかったと思います。

三本:僕が感じた変化は、団結力です。全国の事業所長をプロジェクトメンバーに召集し、コロナ禍以来、初めてオフラインの場で集まりました。

会議前後の食事会でも絆が深まる上に、「すごい会議」を通してベクトルがそろい、全事業所が一斉に問題解決に動きだせる。

結果、当社も過去最高益を達成しました。もともと数字意識の強い組織なので、僕からは「やりたいことを心から楽しんでやろう」というメッセージを発信し、僕を含めた全員がこのプロジェクトを最大限楽しめた。「やっただけ成果が出る」、喜びの体験をさせてもらいました。

里井社長はどのような成果を実感されましたか。

里井:若手社員が奮闘してくれたおかげで、利益率は昨年対比138%を達成しました。

この成果へのポイントは大きく三つで、まず、若手社員の成長です。この会議を機に、経営の財務指標などの数字への意識が高まったことで、彼らが周囲を巻き込んで利益向上に向けて動いてくれたんです。ボトムアップで下から突き上げる動きが生まれ、いい刺激になりました。

二つ目は、期日の設定による実行力の向上です。「いつまでにやるか」、明確に期日を区切って合意する癖がつき、軌道修正しながら計画通りに進める力がつきました。

三つ目に、全体最適の視点で協力し合う文化の醸成。組織として目標を達成するには、個人の役割や領域を超えて足りない部分を補い合う意識が必要です。以前は希薄だったその意識が若手に芽生え、「そのつもりで頑張っている」と、発言してくれるようになったのは、うれしい変化でした。

里井社長が期待した若手社員の変化は、何を起点に生まれたと思いますか。

里井:当社は創業56年目。長年の慣習やしがらみに、「どうせ言ってもムダだ」という、諦めの意識が蔓延していました。そこに、「そうだとして、どうすればできるか」という「すごい会議」の問題解決思考がインプットされ、若手の発言が変わり始めた。言い訳でも諦めでもなく、可能な方法を考える思考と仕組みが機能しました。

また、自社だけを見て視野狭窄におちいっていたところに、他社からの貴重な意見をもらえたことも視野を広げるいい機会になったと思います。

僕らの商売は趣味の世界。好きなものに触れられることが働くモチベーションであり、自分の提案をお客様に気に入ってもらえれば、やりがいも増える。今までにない思考で動いた結果、「好き」と「成果」がリンクした今まで以上に彼らが仕事を楽しんでいるように見えます。

島袋(コーチ):私が思う若手の成長の源の一つは、里井さんです。彼らの意見に口を挟みたくなっても、「彼らの成長のために」と、我慢して口をつぐむ里井さん。彼らを見守り、成長を心から喜ぶ里井さん。その根底にある愛を彼らも感じとっています。

また、私の印象に残るのは「今、うまくいっていること」を共有し合うシーンです。26歳の若手社員が、「経常利益が」「コストが」と、経営視点の発言をし始めたことに彼らの成長を感じました。

 

 

若手社員に生まれた「経営視点」は、何によって芽生えたと思いますか。

里井:まず、この会議で経営上の数字に触れる機会が増えたことであり、他社の経営状況を知れたことですね。当社には、他社の数倍以上の高額商品があるにもかかわらず、経常利益は他3社の1/3以下。その事実に衝撃を受け、彼らが主体的に改善策を考え始めたように見えました。

また、今期は売り上げが思わしくないながらも、なんとか利益率を向上させられたことで、「工夫次第で達成できる」「改善したい」と、彼らなりに経営を自分ごと化してくれたのかもしれません。

「打つ手は無限」若手の自主性が生む好循環

何森社長はどのような成果を感じていらっしゃいますか。

何森:売り上げ昨対比112%、経常利益は118%、ストレッチした目標を達成し、社員に賞与として還元ました。

自社の可能性に制限をかけ、「天井」をつくっていたのは僕たち自身だったと気づき、GLIONグループの理念の一つである「打つ手は無限」を実践した結果、さまざまな試みが成果につながりました。

また、当社も若手の成長は大きいですね。この会議で経営上の数字データを共有したところ、コスト削減や利益率改善など、経営目線の会話が日常的に出るようになった。

「すごい会議」に参加した若手社員が、このプロジェクトをきっかけに「自分たちで考えてみたい」と、新製品開発の社内プロジェクトにも挑戦し始めました。企画立案から商品開発、価格設定から販売実施までのすべてを彼らが動かした結果、ECサイトの売上が月間平均約90万円から190万円に倍増。次代を担う若手の意欲を源に、好循環が生まれています。

若手社員の積極性は、何を起点に育まれたように見えますか。

何森:まず、彼らが「こんなのがあったらいいのに」と思うことに取り組めたことですね。その自主性を汲み、こちらも極力やらせてみる。

僕たちは、つい自分の経験からものを言いたくなりますが、まず、彼らに考えさせる。うまくいかなくても、その体験が次の一手への思考につながると思わせてくれたのは、島袋コーチです。

彼らに寄り添い、質問で気づきを促す島袋コーチのコーチングに、「自分で答えを出してこそ“違い”が生まれる」と、教えてもらいました。寄り添い導くコーチのあり方に、他の研修やコンサルティングにはない素晴らしさを感じています。

何森社長が「すごい会議」に効果を感じ始めたきっかけをお聞かせください。

何森:「すごい会議」では、自分自身や会社の「ひどい真実」を発言し、自社の弱点と向き合うステップがあります。経営者として問題を直視させられる苦しみはありますが、メーカーとしてのプライドや自信があるがゆえに客観性に欠け、自社の弱点が見えていなかったことに気づかせてもらいました。

その弱点をプラスに転じることができればインパクトある成長につながり、経営者はむしろ楽になる。非常に価値のある体験でした。

 

Part2に続く

 

 

島袋 智 しまぶくろとも

株式会社ディシジョン

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