組織改革によりメンバーの若返りと新たに担うメンバーが出てきた
太田:今日はお時間いただきありがとうございます。今期が8月15日に終わられるということで、振り返りのインタビューのお時間をいただきました。
まずは、今期1年を振り返って、どのような結果になられたかというのを教えてください。
赤鹿:今期は年初に立てた目標に対して達成率129%、経常利益率14.7%の達成でした。
太田:おめでとうございます。社長からしたときに、今期の結果というのは、よくやった、すこしよくやった、普通など、いろんな観点がありますが、どのようにお感じになられますか。
赤鹿:まぁ、よくやったですよね。
太田:そうですよね。すごいです。このよくやったという結果になられた中身を教えていただきたいのですが、どのあたりが今期に関しては大きな違いが起きたなとお感じになりますか?
赤鹿:今期の結果は、正直、外部環境の影響もあると思います。それはやはり住宅に対する意識の高まりみたいなものがありまして、コロナ禍において戸建てニーズが非常に増えたり、家に対する関心度の高まりというのがあって、住宅業界が良かったというのが要因の一つにありますね。
太田:なるほどですね。
赤鹿:ですので、手放しでウチの実力なのかというと、全部はそうではないだろうなと思っています。ただし、うちのメンバーを見ていただいているのでお感じだと思いますが、組織の改革によって若返りして新たに担うメンバーが出てくるなど、若手は着実に成長しましたね。
太田:そうですね。
新しい習慣の「型」がうみだしているもの
赤鹿:営業のトップクラスメンバーたちが、今度は幹部側に回って、新しい戦略をどんどん実行していってくれているという良い循環は、すごい会議をずっとやっていますから、幹部メンバーも“型”を覚えて、体質がどんどん習慣づいているというのがあると思います。
太田:“体質”。いいですね。昨日のセッションを見ていても、幹部の方が本当に落ち着いて、全体を見ながら良い采配をされているなというふうに感じました。
赤鹿:幹部Bはそのあたりは非常にバランスはいいですし、もう一人の幹部Aは自分のチームを持ちながら、もう一人のB幹部の補佐をかなりやっていまして、ロールプレイングや面談の訓練などの若手の育成を、何回も何回も一つの復習パターンやってくれているんです。
太田:さすがですね。
赤鹿:一人は戦略的な取り組みが非常に得意ですし、もう一人は若手の育成だとか、教育プログラムが得意。だから来期から二人は、取締役として会社の経営を一緒に担ってもらいます。
太田:良いペアですね。
赤鹿:はい。よく頑張ってくれます。
新しい営業戦略の動き
太田:外部環境もありますが、中身もいろいろ変わられた面があると思うのですが、仕事のやり方でも、あるいはビジネスの取り組み方でも、今期大きく変化したことがありましたら教えてください。
赤鹿:何点かあります。一つは営業推進部の新しいサービスを今年からスタートしました。「いえとち相談窓口」という我々宅地販売の立場で住宅会社を紹介するサービスを始めました。会議の中では「いえとち」という言葉で出てくるわけですけれども、今まで弊社の宅地分譲の事業は半分以上は住宅メーカーさんからのご紹介をいただいたお客さんで成り立っていました。
太田:はい。
赤鹿:ということは、先に住宅会社にお客さんが訪問して、そこであらかた建物は決めたものの、土地がまだ見つかっていないということで、住宅メーカーさんの営業マンから土地希望客を弊社は紹介していただいて、弊社が保有している土地を買ってもらうという一つの流れが、これまでの土地分譲では黄金のパターンでした。
太田:はい。
赤鹿:でも4割ぐらいは先にお客さんがこちらにお問い合わせをいただいて、土地を検討していただきながら建物をまだどこに建てるか決めてないというパターンでしで、これを一つのビジネスとして始めたわけです。
太田:そういうことですね。
赤鹿:で、住宅会社の専門店ということで、一般の方からしたら少し分かりにくい注文住宅のメーカーさんをどのように選んだらいいのかというのを、予算や希望のテイスト、お客さんの希望の内容を聞き取って、「それならばこのメーカーがいいと思います」というのを我々独自に価格の目安みたいなものも資料として作って、「坪あたりこのぐらいの予算でしたら、このあたりが該当するメーカーですよ」というのを、我々がマッチングさせて、お客さんを育ててからメーカーさんにご紹介します。
太田:いいですね。
赤鹿:そういうサービスを始めた最初の年でした。この「いえとち」効果というものがあって、宅地販売に拍車をかけたのは一つ間違いがないですね。「いえとち」で集客して、土地を販売に繋げたという部分では、新しい集客のパターンを作ったということに成功した年になりました。
太田:なるほどですね。お互いにとってWin–Winの関係になりますね。
赤鹿:そうですね。もう一つ大きく変えたのは、賃貸管理部門に関して、新しいメンバーを入れて、今までは自社物件をただ仲介業者に客付けをしてもらう受付窓口業務だった業務を、これからは賃貸管理業務に力を入れようということで、新規受託を始めたんです。
太田:なるほどですね。メンバーも変えたわけですね。
将来にむけてモデル作りスタート
赤鹿:そうですね。若返りさせて、将来の管理のモデルを作ろうとしました。
太田:なるほどですね。
赤鹿:アパート経営における家主に成り代わって、すべての賃貸経営のマネジメントを請け負う、経営そのものを請け負うPM(プロパティーマネージャー)を今から育てていかないといけないということで、新しいメンバーも含めた数名を軸に、社内のPMの育成に着手しました。
客付け営業もできるし、家主の対応もできるという「PM(ピーエム)」と呼んでいますけど、新しいプロパティーマネージャーというのは、家主にとっての総合的なマネージャー役ですね。
今はまだまだこれからですけれども、管理専門と客付け専門のメンバーが1チームで物事に取り組むことによって、今後のPMの育成に繋げていきたいなと思っています。
太田:素晴らしい取り組みですね。