「すごい会議」の導入後、どのような変化が起きましたか?
石坂:「担当と責任」という概念が浸透し、役員陣の意識が変わりました。担当部署に対するコミットメントだけでなく、会社の全体最適を考えるようになったのです。つまり責任範囲の認識が変わり、思考の幅が広がった。社長や副社長のような目線で考える役員へ進化しつつあります。
太田:普通の役員は担当事業部のことを考えます。その目線をさらに上げようとしたのですね。
石坂:ええ。当社は東証一部からプライム市場に残りましたが、成熟した大企業とは自認していません。将来の事業承継や権限移譲を混乱なく進めるためにも、多くのメンバーに担当と責任の概念や全体感が必要です。
サポートにおいて、太田コーチが留意した点を聞かせてください。
太田:石坂社長の意図を理解して、参加者を巻きこむことです。そのうえでコーチングのアプローチを徹底しました。IBJの役員陣は優秀な方ばかり。もしも私が‟コンサルタントの先生”のように上から指導したら、反発を招きかねません。ですから、重要な概念や枠組みをお伝えして、みなさんの気づきを促しました。
石坂:たとえば「会議の発言の大半は状況コメント」という実態があります。それを太田さんに説明されて「提案しなければ」「意味のある質問をしなければ」と気づかされる。そんなふうに意識と行動が変わっていきました。