「太田コーチ」の何が、その変化や成果を引き起こしたと思われますか。
渋谷:まず、メンバーの心の内を、太田さんがしっかり吐き出させてくれたことが大きいですね。
例えば、「ひどい真実」。自分自身の感情や行動の真実もあれば、会社や僕に対して言えずにいた真実もある。今まではそれを押し殺していたので、根本が解決されずに同じことを繰り返していた。そこを、太田さんが安心安全の場をつくり上げてくれて全員が本音を口にできた。視界がクリアになり、滞っていた流れがスムーズに動き始めました。
正直なところ、社長の僕からすると衝撃的な真実に我慢を強いられる場でもありましたが、あの時間があって今がある。僕自身も“受け止めて聞こう”と、自分の意識を変えました。
太田(コーチ):渋谷さんのあり方が変わったことが大きいと思います。営業に関するノウハウを誰より持っているのは、渋谷さん。けれど、『怒られたくない』という感情も含めて社長への相談にためらいが生じ、行動が停滞していた。
「すごい会議」を通して「リクエスト」するという概念が根付き、かつ渋谷さんの“受け止めて聞く”というあり方の変化に、彼らが反応したんです。営業に同席してもらうよう渋谷さんにリクエストするなど、今までにない動きが生まれ、スピードが上がりました。
コーチから見て、メンバーの方のコミットを強めたポイントはどこにあると分析しますか。
太田(コーチ):一つは、目標です。自分たちで全社目標を立てたことで、会社の目標と個人の目標が今まで以上につながり、達成に向けて自然と行動に力が入った。
と同時に、本音で語り合う体験を経てコミュニケーションの壁がなくなり、『達成のためにヘルプを要請していい、協力し合うものだ』と、みなさんの認識が変わりました。
加えて、導入の時期もよかったですね。抜本的な組織改革を開始した転換期であり、お客様の満足度向上に軸足を置く、と営業方針を変えたタイミング。会社の方向性を見直す流れのなかで、「すごい会議」をうまく使っていただけた印象があります。