すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

若手が示す昨対150%成長の力。中長期視点を見据えた営業の「型」づくり

GLIONグループ 大阪中央スズキ販売株式会社

設立
1986年3月
資本金
5,000万円
従業員数
3,874名 (2023年9月)
事業内容
1986年に自動車整備工場から始まり、現在は輸入・国産車の正規ディーラー事業を主軸に、リテール・アフターサービスほか多岐にわたる自動車関連事業を展開。国内での成功を生かし、海外6カ国にも進出。飲食、ウェディング、宿泊事業にもフィールドを広げ、100社以上を抱える巨大グループとして業界を牽引する
担当コーチ
島袋 智

GLIONグループでは2019年の導入以来、さまざまなプロジェクトチームを組んで「すごい会議」を実施いただいています。今回は、国産車事業部における営業人材のスキルアップを目的とした年間プロジェクトについて、会議の意思決定者を務めた尾崎社長にお話を伺います。

営業力向上のための「型」づくり。「一つの正解をつくる」

国産事業部の営業力アップに向けたプロジェクト。どのような期待を持って取り組まれましたか。

尾崎:自動車業界は古い産業なので、先輩の背中を見て学ぶ昔ながらの営業スタイルが根底にあり、営業マニュアルが存在しない企業も多いんです。時代とともに変化しつつあるものの、当グループの国産事業部にも決まった営業の「型」はありませんでした。

結果、良くも悪くも人の数だけ「型」があり、パフォーマンスに大きな差が出る。新人が自分なりの「型」を見つけようとすれば時間もかかります。

日本の人口が減少し、車の購入者が減っている今、営業人材のスキルアップは急務。国産事業を伸ばすため、われわれなりの一つの正解と言える「型」をつくるべきだと考えました。

具体的にどのようなステップで「型」づくりを進めましたか。

尾崎:グループ内には国産車のディーラーが4社あり、その4社でプロジェクトを進めました。ステップは3段階で、まず、各社から入社3年〜10年目の好成績を上げている営業人材を集め、彼らが知る「事実」や彼らの「経験」をもとにした効果的なトークスクリプトを作成しました。

次に、4社の全営業メンバーを集めてトークスクリプトを使った営業のロールプレイングを実施し、「型」の習得度合いをチェックする。最終段階では実際の商談を録音し、現場で正しく実践できているかをフィードバックし合う、という3段階です。

なかでも重要なのは、大前提としての“聞く”姿勢。営業というと車の機能や装備を説明しようとする人もいますが、僕らの仕事は、お客様が何を欲しているか、ニーズを聞き出すことにある。“説明する”“話す”よりも“聞く”ことを重視しました。

前年比150%増。若手の成長が実証する新たな営業スタイル

効果的な「型」ができたことで、営業活動にどのような成果が現れましたか。

尾崎:国産車の販売台数が、前年同月の3カ月間と比べて150%以上伸びました。特に入社3年目までの若手の成長が顕著で、成績が200%以上アップしたメンバーもいます。若手は素直に「型」を取り入れるので変化が早く、ベテランほど自分なりの型が邪魔して変化が遅い傾向がある。未来を背負う若手の成長が楽しみです。

“聞く”ことに徹すれば自然とお客様との会話は広がる。「お客様のことを知ろう」とする集団になりました。

コーチから見て、このプロジェクトの成功のポイントはどこにあると分析しますか。

島袋(コーチ):トークスクリプトを作成した20代〜30代のメンバーからすると、「チャンスをもらえた」という感覚だったと思います。

自分たちがつくる「型」が国産事業部の営業のスタンダードになり、グループ全体にも影響を与えていく。そんなミッションを背負う喜びと誇りが、プロジェクトに力を吹き込んだように見えました。

尾崎:スクリプトを作成したメンバーが、積極的に他の営業部員に「型」を教え込む姿も見られました。自分たちが考えたシナリオを浸透させたいという熱意があり、指導したメンバーの成績があがれば、素直にうれしい。貢献する喜び、ですね。

新人がトップセールスに。「線でつながる成長基盤ができた」

尾崎社長の会社では、具体的にどのような人材成長が生まれましたか。

尾崎:スクリプトを身につけた入社3年目のメンバーが、新たに入った後輩に対して「型」を使って積極的に教育しています。そのうちの1名はまだ入社して4カ月目の20代女性ですが、業界未経験にもかかわらず、現在までに販売実績18台という驚異的な成果を上げています。今や先輩社員を押しのけてトップのセールス実績

僕が思うに彼女のすごさは、お客様の情報量を圧倒的に多く持ち帰ること。お客様との会話を上司に経過報告する際に、情報量が多いほどアドバイスの的が絞れるので成約率は上がる。

彼女の素晴らしい素質に加え、“聞く”営業スタイルと「型」が生きたからこそ超高速でハイパフォーマンス人材が育ちました。

改めて、尾崎社長が感じる、このプロジェクトの素晴らしさをお聞かせください。

尾崎:この企画の最大の価値は、点ではなく線でつながる成長基盤を築けたことにあります。「型」が定着して成果として現れるには時間がかかるので、事業部全体で効果を検証するには時期尚早。ただ、その「型」の効果が発揮され、当たり前の文化として根付けば、個社だけでなく事業部全体にとって大きな財産になる。

実績を上げる人材が2人、3人と育ち、未来につながる線ができる。グループ全体へ波及する効果を期待しています。

中長期視点の成長に「すごい会議」で地固めを

通常の「すごい会議」とは意図の異なるプロジェクトでした。どのような発見がありましたか。

尾崎:「すごい会議」と言えば、途方もなく高い目標を掲げ、前代未聞の解決策で最速で成果を出すというイメージでしたが、今回は目的が違います。

マニュアルの整備は即効性というより中長期成長に向けた解決策の一つ。目標には販売台数や成約率の向上を掲げましたが、短期的な成果がすべてではありません。その点で、通常の「すごい会議」との違いに僕自身も戸惑いましたが、本質的な成長を目指す必要性を理解し、メンバーにもその意図を伝えながら進めました。

今後も「型」のブラッシュアップを続け、5年後、10年後の新入社員がこのスクリプトを使って成果を出すことができていたとしたら、この企画は大成功ですね。

尾崎社長は、4社の国産事業会社を取りまとめる「意思決定者」としてセッションに臨まれました。どのような体験でしたか。

尾崎:自社の代表としては決済権限を持って意思決定してきましたが、今回は4社をまたいでのプロジェクト。『果たしてこの決定でいいのか』と、常に悩み、会議の前日は眠れませんでした(笑)。

今でこそ成果が出始めたことで『あの意思決定でよかった』と思えますが、意思決定はあくまで始まり。重要なのは、その意思決定を正しいものへと導くべく行動すること。振り返ったときに『正しかった』と、思える決断をすることを心がけました。

新プロジェクト発足。管理職育成で目指すさらなる飛躍

今年はまた新たなプロジェクトを始動するそうですね。期待をお聞かせください。

尾崎:営業の現場レベルでマニュアルが機能しても、管理職の体制が整っていなければ変化がうまく連動しない。今期は、管理職に必要な数値管理やマネジメント構造をフォーマット化し、事業成長をさらに強化します。組織基盤を盤石にする、管理職向けマニュアルの整備です。

グループの規模がまだ小さかった頃、オーナーの田畑が、「全員が経営者になりなさい」そして「金の卵を産む鶏になりなさい」と、よく口にしていました。

管理職として与えられたリソースを捌くだけでなく、一人ひとりが経営者視点で行動すれば、“全員が経営者”という、視座の高い集団になれる。そのための基準を整えていきます。

このプロジェクトを導いた島袋コーチの魅力をお聞かせください。

尾崎:島袋さんご自身の圧倒的な成長スピードと、コーチとしてあるべき姿を体現しようとするあり方に感銘を受けました。

僕は、導入初回の「すごい会議」にもオブザーバーとして参加していたので、島袋さんの上司である雨宮コーチの圧倒的な存在感に、会議室が吐きそうなほどの緊張感で包まれていたことを覚えています。

他のコーチの会議も体験しましたが、正直なところ、島袋さんと初めてお会いしたときは、その頼りない様子に『この人で大丈夫なのか』と、不安を覚えたんです(笑)。しかし、2回、3回と会議を重ねるうちに、驚くほどのスピードで変貌を遂げられた。会議以外の場で相当な努力をしているであろう様子に、『僕も負けていられない』と、気が引き締まりましたね。

不安は急速に信頼へ変わり、2年目のプロジェクトも安心してお任せしています。

自分の限界を超える成長へ、進化は続く

今後の「すごい会議」の活用シーンとして、どのような方法がイメージできますか。

尾崎:これまではグループ内の事業部を横断する形でプロジェクトを進めることが多かったので、個社で「すごい会議」を実施してもいいかもしれません。

会社によって経営体制や人事労務、就業規則などが異なるため、4社のコンセンサスを取るには妥協案を探す場面も多くなる。連携して進めるべきこともあれば、個社のルールに則って振り切ることで効果が最大化するケースもありそうです。

島袋(コーチ):他の事業部で、それに似た構造の会議を実施しています。複数社が集まり、会社別にテーブルを囲んで各社の社長に意思決定者を務めていただくことで、個社の力を最大化しながら、事業部全体の意思統一も図れる。

尾崎さんがイメージされる状態に近いと思うので、ぜひ一度、オブザーブしに来てください。

さまざまな「すごい会議」の体験で感じた、この会議の面白さをお聞かせください。

尾崎:通常のハードな「すごい会議」として答えると、自分が無意識にフタをしていることをこじ開けられてしまうことですね(笑)。

コンフォートゾーンにいる限り、現在の延長を超える成長は手に入らない。フタを開ける苦しみはあれど、それを耐え抜いた今があるからこそ僕自身のストレス耐性は大いに上がったと自信を持って言えます。

「すごい会議」を導入していなければ、この成長の機会は生まれず、今の自分もいなかった。自分だけでは辿り着けない、貴重な体験をさせてもらいました。

ありがとうございました。

島袋 智 しまぶくろとも

株式会社ディシジョン

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