「すごい会議」を導入して、どのような変化がありましたか?
岸本:変化として一番大きかったのは、長い間苦戦していた3つの店舗の黒字化が見えてきたことです。これらの店舗はオープンから思うような成果を出せずにいたのですが「すごい会議」を通じて店舗運営の課題が明確になり、適切な施策をチーム全体で共有したことで成長が加速し、売上貢献につながったと思います。この成果が出たことで、現場のモチベーションも高まりました。
KPI改善も顕著です。具体的には、全店舗でお客様に次回来店を促す「声掛け」の実施率が90%以上になりました。導入前は50%以下にとどまっていたので、これは非常に大きな成果です。この取り組みが、リピート率や店舗の収益向上につながっています。
営業面でも大きな変化がありましたね。以前から接客マニュアルはありましたが「すごい会議」の導入をきっかけに、さらに進化させ、店舗で提供する感動体験の「型」を作り上げました。「ココロ動かす、感動を」という私たちのパーパスに基づき、初回のお客様に対する価値観や接客時の感動をどう伝えるか、具体的なシーンごとに再設計したんです。この「型」を作ることで、単に作業としての接客ではなく、ブランド価値を高められました。
現場スタッフや組織全体の意識変化はありましたか?
岸本:社員の意識は大きく変わったと感じます。今回店長の中からエリアマネージャー候補を3名選び、「すごい会議」に参加してもらいました。「すごい会議」を通じて、参加した店長が経営的な視点を持つことができるようになり、さらに彼らから周りの店長が刺激を受けるようになりました。その結果、新たにエリアマネージャーに応募する社員が12人も集まったのです。自発的に動ける社員が増えた結果だと感じます。
会議に参加した店長たちは「自店だけいい結果が出せていればいい」ではなく「他店も勝たせる」という考えにシフトしていきました。参加していない店長同士でも自分の経験をもとにアドバイスをし、成功体験をメンバー同士で共有したりする場面が増えています。会議においても「クーポンを変えてみよう」など積極的な提案が見られるようになったのです。意見をお互いにシェアし合い、それぞれの店舗に応用していくという文化が自然と生まれました。
会議の運営方法や雰囲気に変化はありましたか?
岸本:以前はどうしても私が中心となり、発言や指示を出す形になってしまっていました。しかし太田さんがファシリテーターとしてサポートしてくださったことで、会議がフェアでオープンな場に変わりました。太田さんは冷静に場をコントロールしながら、必要に応じて質問を深掘りし、参加者全員が意見を出しやすい環境を作ってくれました。結果として指示する場から「どうしたら良くなるかを一緒に考える場」へと変化しました。
太田さんはコーチとして会議に参加し、積極的に働きかけているように感じます。この動きに関して、どう感じていますか?
岸本:本当に感謝しています。太田さんはコミュニケーションの取り方が非常に柔軟で、スタッフ一人ひとりの考えや価値観に寄り添いながら進めてくれており、社員からの信頼も厚いです。
印象的だったのは、太田さんの「会議は体験するもの」という考え方です。会議を報告の場ではなく、参加者全員が主体的に関わり、共に考え、共に創り上げていく体験の場と捉えることで、学びや成長が深まると教えていただきました。
また、太田さんは会議の中で「物事の捉え方」にも言及されることがありました。感情は大切な要素である一方、それがどのような事実を基にして生まれているのかを冷静に見つめることの重要性を教えてくれたのです。起きている事実と、それに対して自分が感じている思いを区別し、効果的な判断をするための手法を会議を通じて教わりました。
今までの会議は、情熱的に議論を重ねることが多く「みんなで本気でやるぞ!」という熱意を前面に出して進めるスタイルでした。しかし、太田さんのおかげで、冷静に客観視しながら会議を進行し、単調に見えつつもより効果的なやり方を共有することができるようになったのです。これまでになかった会議スタイルを築けたのは、太田さんのサポートによるものだと感じています。
