橋本早苗(以下橋本): 導入前の御社はどんな状況でしたか?
大西修二さん(以下大西): 報告や言い訳が中心の会議でした。
橋 本: それがどう変わりましたか?
大 西: 東京と大阪など、離れているところの工夫や情報を共有したり、営業マンの目標とする数字の立て 方や、その達成の仕方などを、みんながお互いに提案できるように変化してきています。また、会議でい い施策が提案されると、次の週にはそれが実行に移されているんです。まだ全然完璧ではありませんが、 今までそんなことはありませんでした。今までは「一ヶ月の間に実行すればいいか~」ですませていたの に、すぐに行動に変えている営業マンをみて、すごく嬉しかったです。
橋 本: 他にどんな変化を感じますか?
大 西: 「どのようにすれば」が共通の言語になりま した。現場で提示された問題点を「どのようにすれ ば」の疑問文に変えたり、営業マンに問題が起きた ときに「じゃあどうしたら出来ますか?」と言って 問題解決ができるようになりました。言い訳はなし で、僕も言い訳は言わないようにはしています。
橋 本:なるほど、素晴らしいですね。
大 西: すごい会議のセッションを終えて現場に戻 ってからでも「なぜ遅刻した?」ではなく「どのよ うにすれば遅刻しませんか?」のように発言が変わ ってきている。一番大きいトランスフォームだと思 っています。僕はそこが根底だと思います。
橋 本: このプロジェクトでどんな気付きを得ました
か?
大 西: すごい会議が終わった後は、参加したメンバー は魔法がかかったようにやる気になっているのですが、 放っておくとその気持ちが長続きしません。持続して いかない限り結果は出てきません。人間はつい、楽な ほうにいってしまう。7ヶ月もやると、楽なほうにい ってしまう人ももちろんいる。そこで非常に大事になってくるのが、一週間に1回ある進捗会議です。
一週間に1回、進捗会議をすることによって、数字や 取り組みを把握できる頻度が増えました。会議が終わ ってもホッとする期間もなく次の報告があり、「会議さ え乗り越えればいい」という雰囲気がなくなりました。 何もしてなかったらそれが明らかになってしまう。参加者にはそれが相当なプレッシャーになっています。 しかしまだ結果を出しきるところまでには届いていないので、これから更に太田さんの力をお借りしなけ ればなりません。 現在、幹部のグループでは進捗の仕組みが少しずつ出来てきているのですが、そこより下のグループにま で浸透させる取り組みを太田さんと実行しています。
橋 本:各グループの人たちにはどのように浸透させますか?
大 西: 繰り返し繰り返し根気よくやるしかないです。 まずコミットメントとはどういう意味なのか、コミッ トメントリストをどうやって活用するのかを毎回説 明しています。コミットメントは抽象的に書いてしま うと、やってもやらなくてもいいようなものになりか ねないです。具体的に書くこととか。 “状況” にマイ ナスが出ているということは遅れているということ だから、そのマイナスを取り戻すにはどうする の?・・というように。オンタイムにもっていこうと すれば、極端にいうと通常の2~3倍の動きをしない とならないかもしれない。しかしこの仕組みを全うし ていくためには、そのくらい大変なことだと理解して もらうのが未だに難しいです。